名古屋高等裁判所 昭和24年(控)544号 判決 1949年8月13日
被告人
田畑廣義
主文
本件控訴は之を棄却する。
理由
前略
しかし右論旨第一点については最高裁判所昭和二十三年(れ)第一一八〇号判決の示す通り「裁判官」といふ語は憲法、國会法、裁判所法刑訴應急措置法並に新刑事訴訟法等に於て見受けられる通り判事、判事補等裁判の職務を行ふ官吏の総称であるからこれを官名と認めることが出來る。この理は「檢察官」の文字についても亦同樣に解すべきものであるから所論の公判調書に「裁判官何某、檢察官何某」と記載されてあるのは「判事又は判事補何某」「檢事又は副檢事何某」と記載されてあるのと同じであつて、これを以て刑事訴訟法第四十八條第二項、刑事訴訟規則第四十四條第二号の要求する事項の記載を欠く無効のものであると謂ふ論旨は當らない。
以下省略